特定非営利活動法人 SAGAアウトドアガイドクラブ

SAGAアウトドアガイドクラブは人と自然を安全に結ぶためのサポートをしています。

中・上級者登山 ― 山登りの道具

山に登り始めてだんだん経験を積んで体力もついてきましたが、中上級者になるにはそこからまた必要な物があります。
それは専門道具を使いこなす知識とテクニックです。これらを駆使して安全性を高めてより困難なコースに挑むことができます。

道具1

ヘルメット

落石を防いでくれますが、こぶし大になると役に立ちません。
落石に当たるところにいないことが大事です。
また、滑落した時、ロープに振られて岩に激突した時も、頭部を守ってくれます。
最近は穂高等の岩稜縦走コースも装着を勧めています。

道具2

ザイル
(ロープ)

安全確保には必ず必要な物です。
衝撃荷重に耐えれる物が、クライミングロープとして使えます。
シングル用・ダブル用・ツイン用とあり耐水性が高い物が良いです。 扱いについては、できるだけ丁寧にあつかい、劣化する前に更新するように心がけましょう。
登山コースの岩場で使う時は30mの長さで、クライミング主体のコースは50m必要です。 素早いキンク取り(ねじれ)と収納ができるように練習しましょう。

道具3

カラビナ等の
クライミングギア

安全環付カラビナは、大事なところで使います。
開閉できる部品(ゲート)がついた金属リングであり、ロープとハーネスなどの支点を素早く確実に繋ぐことができます。
スクリュー式は閉め忘れに注意。登山で使うときは、数が増えると結構重くなるので軽いのがいいでしょう。

道具4

テープ・
スリング

強度や弱点を押さえておきましょう。
臨時ハーネスにもなります。
お助け紐になり、便利でよく使います。何にでも便利なものです。

道具5

ビレイデバイス

懸垂降下や確保に必要です。
一つの器具で何でもできる物が良いです。使い方や装着方法を確実に覚えましょう。

道具6

ハーネス

パートナーを確保したり、ロープを使って安全に登ったり、トラバース(横断)するのに必要です。
装着方法を確実に覚えることと、装着した時はお互い確認し合う癖をつけましょう。外れたら重大な事故につながります。

道具7

スノーシュー
(ワカン)

楽しい雪上歩きには必要です。
ストックとセットです。

道具8

ピッケル

積雪期の登山に必要な道具です。
その用途は幅広いですが、使い方をマスターしないとただの危険な杖になってしまいます。

道具9

アイゼン

靴底に装着する爪のついた金属製の登山用具です。
氷や氷化した雪の上を歩くために用いられます。
九州圏内は6本爪の軽アイゼンでもいいですが、伯耆大山やアルプスの積雪期は12本爪を使います。
登山靴も高価ですが冬用として必要です。

道具10

アマチュア
無線機

中上級者が挑戦するコースは厳しく、携帯も入らないことが多いです。
そのため、岩場の上と下の連絡や、緊急時の救助要請など、アマチュア無線機を持ってると大変便利で心強いです。
免許の要らないトランシーバーは、見える範囲ぐらいしか届かないので役に立ちません。

道具11

テント
(ツエルト)

テント泊の縦走ができるようになれば、山行の幅が広がります。
山では素早い設置と回収が必要です。

道具12_1
道具12_2

テント装備
(コンロ・寝袋等)

テント泊に必要な装備です。
初めて使うときは、下界で事前に練習しておきましょう。
軽量・コンパクトで快適な物は、高価な物が多いです。

中・上級者が新たに使う道具は安全確保用が多いので、その使い方、装着方法を確実にマスターしてください。
また、コースも厳しく、時間の制約もあるため、素早い行動も求められます。
独学ではほぼ難しいので、しっかりしたリーダーと行動をともにしながら覚えるか、山学会等に入会して訓練を積むか、登山教室を受講してスキルアップするかしてください。
安易な学習と中途半端な知識が一番危険です。

画像は福岡の大名にある、アウトドアショップ ラリーグラス 様から提供していただきました。