中・上級者登山 ― よくある質問
このQ&Aを読んでいると、ここまでしなくてもいいんじゃないか、
他の登山者は誰もしてないのに、話が大げさじゃないかと思う人もいるかもしれません。
責任は個人にありますので、そう思われるならしなくて大丈夫です。
しかし、中上級者の山は難易度が高く、危険なコースもあります。
山で遭難したら、多くの方や関係機関・家族へ迷惑がかかります。自己責任と言いますが、自己責任で終わらないのが現実です。
周りの人や関係機関に、絶対に捜索や救助をしないでくださいと伝えれば自己責任でいいかもしれませんが、それでも、捜索して救助するのが山仲間です。
安全第一と言いますが、根拠の無い「人がしてないから大丈夫」と思う時点で、安全がおろそかになっています。
- 危険なコースに行くときはロープが必要ですか?
- どの程度の危険かによりますが、ロープがあった方が絶対にいいです。
しかし、扱い方や結び方などを正確に覚えておかないと、逆に危険になったり、時間がかかったりします。 - ロープワークを勉強したいのですがどうすればいいですか?
- 地元の尖鋭的な登山クラブに入会するか、登山教室を受講する方法がありますが、
初級者向けのクラブや教室が多いので、しっかり中身を吟味して参加してください。
本など見て、独学で勉強するのはとても難しいです。厳しい条件の中、限られた道具で安全に行うことは、 実践でしか学べないからです。 - 夏冬兼用の登山靴は便利で安く感じますがどうですか?
- 最初の頃は、九州の冬山くらいから登り始めると思うので、兼用の靴でもいいかと思いますが、
結局、無雪期には重いし雪の時は役不足と言う事で、買い直すことになると思われます。
最初から、無雪期用と積雪期用と、それぞれ別に買われた方が結局安くつきます。 - 冬用の登山靴はなぜ重くて硬いのですか?マメができて困っています。
- 冬靴の一番大事な性能が、アイゼンを確実に装着できることになりますので、靴が硬くなければ、
アイゼンの外れる可能性が高くなるからです。外れることは、即事故につながります。
また、アイゼンをはいての岩場では、重心が高くなって捻挫の可能性が高いです。 そのため、足首までしっかり保護する必要があり、必然的に重くなります。(保温にもつながる)
3点目としては、防水(凍傷を防ぐ)が非常に大事なため、どうしても革が厚くなり硬くなります。 他にも理由がありますが、以上の点が大きな理由です。購入するときはしっかり試着して自分の足に合った靴を選んでください。 - 軽アイゼンとして軽くてかさばらない4本爪を使いたいのですが?
- 軽アイゼンは、6本以上を勧めています。
4本爪は、一応付けてるという程度ですので、必ず6本爪以上をそろえてください。
4本でいいというリーダーやショップは、その時点で不合格です。 - 防寒具としてダウンとフリースはどちらが便利で優れていますか?
- 個人の好みですが、ダウンは風も通さないので少し有利かと思われます。
ただ、フリースの方が汎用性があり、水にぬれてもあまり気にしなくていい面もあります。 - ウールの手袋は縮やすいのですが新素材の手袋がいいのでは?
- 究極の防寒には、天然素材のウールが優れています。
メーカー側は、良い所をアピールしますので、新しい素材を使ってみたくなりますが、まだまだ勝てません。
ただ、化繊は水に強く洗濯も簡単というメリットもありますので、上手に使い分けしましょう。 - 日帰り行動ですがツエルト(簡易テント)は必要ですか?
- 中上級者の行くコースは難易度が高く、いろんなことが想定されます。
そのためにも、ツエルトは必ず持って行くようにしましょう。
また、ちゃんと張れるように練習しておくことも必要です。
想定外だったと言い訳して通るような甘い世界ではありません。 - 読図が苦手ですがどうすればいいでしょうか?
苦手なので、結局地図やコンパスは持っていかないことが多いです。 - 山では読図は、基本中の基本です。
今はGPSがあるから大丈夫と思ってる方も多いのですが、読図は先を読むもので、先の状況がわかれば対処しやすくなります。 登山教室などで基本から学びましょう。
時々、実力不足の講師もいますので注意してください。
また、学んだ時は直ぐに、山でコンパスと地図を持って行って実践しましょう。 GPSはあくまで読図ができる人が使えるものです。 - リーダーと意見が合わないのですがどうしたいいでしょうか?
- 陰口は避けて、お互い率直な話し合いをしましょう。
それでもうまくいかない時は、別の団体に移られるのがいいかもしれません。
危険なコースで疑心暗鬼では危険です。 - 実力差がありすぎてペースが合わないので困っています。
- 誰にでも最初はありますし、体調が悪い時もあります。
グループ登山では、弱い人をカバーしながら登るのが基本です。
人に合わせるのが嫌でしたら、単独登山される方がいいでしょう。 - いつも単独行動が多いのですが仲間を見つけるにはどうしたらいいですか?
- 実力が同じぐらいで、気の合った仲間(ザイルパートナー)を見つけるのは非常に難しいです。
いろんな団体やそのイベントや教室に参加してしっかり吟味しましょう。 - 登山ガイドになりたいのですが、どうすればなれますか?
- 現在、登山ガイドのライセンスは国家資格ではありませんので、自称登山ガイドなら明日からでもなれます。
しかし、参加者の安全管理と健康管理をしながら、楽しく山に登って下山するには、数々の知識と経験が必要です。
そのためには、登山教室で基本を学んで、山の会などでリーダーを務め、日本山岳協会公認のガイド資格を取得するなどしてください。 ガイド資格の登山ガイドステージⅠは3科目で、九州でも年1回1科目だけ受験できます。
SAGAアウトドアガイドクラブは人と自然を安全に結ぶためのサポートをしています。